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本シリーズの前編では、「類似性」と「盗用・剽窃」は別物であることを明確にしたうえで、Turnitinのソフトウェアは「類似性」を検知するもので、「盗用・剽窃」を検知するものではないとご説明しました。とはいえ、世界中の何百万人ものユーザーにTurnitinの類似性チェックをご利用いただいているため、教育上の目標を達成するために類似性チェックツールをどのように活用するかを理解することは重要です。

類似性スコアや類似性レポートがどのように教育実践に影響するのかについて、多くの質問が寄せられます。後編では、教員の皆様からよく尋ねられる質問をいくつか取り上げ、それらの「核心」を解説していきたいと思います。


教育実践に関する質問

  1. 類似性スコアの目安は? 具体的にどれくらいの数値が良い/悪いのか? 
    これはTurnitinのユーザー誰もが繰り返し考え続けている疑問のひとつで、いまだに多くの物議を醸す質問です。しかし私たちの観点では、類似性スコアに「良い」も「悪い」もなく、基準となる数値は存在しません。スコアは必ず、文脈のなかで解釈されなければなりません。類似性が0%であっても、本質的には良くも悪くもなく、それが30%であろうと、80%であろうと同じです。学生の提出物のなかで何が起こっているのか、次のステップとしてどのようなことが適切かを、情報に基づいて判断するためには、(ソフトウェアでなく)教員自身がその数値を具体的な文脈にあてはめて判断する必要があります。

    <具体的な文脈としては次のようなものがあります>
    • 提出された課題の長さ  
    • 課題の具体的な要件(例えば、引用文献の数を指定していないか)
    • 文章のジャンル(ジャンルによっては、類似性が高く/低くなることがある)
    • 学生の文章力レベル
    • 要約や引用、言い換えなど、先行研究やエビデンスを統合するためのスキルの熟達度
    • フィードバックと書き直しの機会
    • 適切な引用に対する、学生の自信の度合い

  2. 教員はどのように「合格スコア」を決定すべきか? 
    これは複雑な問題ですが、まずは前述の文脈的な要素を考慮することが大前提であり、合格スコアの決定に影響を与えます。 それぞれの文脈的な要素を考慮したうえで、さらに以下の点を参考にしてください。

    • 1つの「ボーダーライン」や「規準」となる数値ではなく、「範囲」を設定する。
      前述の文脈的な要素は、正確に数値化できるものではないことが明らかです。教員の主観も入ることを考慮すると、1つの数値で線引きするよりも「グレーゾーン」に対応するために幅をもたせるほうがよいでしょう。

    • 課題ごとに範囲を設定する。
      前述の文脈的な要素は課題ごとに異なるものなので、普遍的な数字などなく、すべてに当てはまる範囲もないことが分かるでしょう。ジャンルが異なると、要件も変わる可能性があります。また、時間がたって学生の習熟度が上がると、期待値も変わってくるでしょう。教員自身のためにも、課題ごとに範囲を設定しましょう。文脈から切り離された、固定的な数字を設定すると、多くの問題が生まれます。一番懸念すべき点は、評価の公平性について学生からの信頼を失う恐れがあることです。 

    • 「予想される類似性」を考える。
      これは、課題ごとに特有の文脈があることを考えると特に当てはまります。予想される類似性とは、文章のジャンルやその課題特有の要件、文章の長さなどに基づいて、起こり得る類似性のレベルのことです。前述した、さまざまな文脈的要素の影響も受けます。例えば、エビデンスを効果的に文章に組み込む方法についての指導や練習がほとんどないにもかかわらず、それを要求する課題であるなら、予想される類似性の値は高くなるはずです。

    • 教育機関の規範を確認し、整合性を図る。
      ある期待値が、同じ組織内の他の部署と大きくずれていると学生のためになりません。考慮すべき方針が設置されていることもありますし、以前または今後の教員と比較して、期待値を評価する必要があるかもしれません。教育機関が不変の基準を設定している場合、ここに書かれているヒントを意思決定者と共有して、アカデミック・インテグリティに関する高い水準を保持しつつも、より公正で適切な方針に改善できないか相談してみましょう。  

  3. 類似性レポートの数値が予想よりも高かった場合、教員は何をすべきか?
    これに関しても答えは1つではありませんが、実行すべき手順は以下の通りです(順不同)。 

    • 当該学生との対話。重要なデータソースは、その文章を書いた学生自身です。なぜスコアが高くなったのか、どのように文章を書いたのかを学生に尋ねてみましょう。私たちはそのような時に役立つ資料を作成しています。当社の「疑わしい提出物について学生に尋ねるためのガイド」と、「話しづらいことを尋ねるための質問集」をご覧ください。 
    • 一歩下がって、前述の文脈的な要素を検討し、そのうちのどれかが状況に影響を及ぼしていないか判断しましょう。 それでも問題があるようなら、意図的な行為かどうかを検討しましょう。スキル不足の可能性もあります。その場合、当該学生にどのような弱みがあるかを見極め、指導の道筋をつけましょう。 
    • まだ状況がはっきりしない場合、FlagsといったTurnitinのツールを活用して、意図的な行為の特定に役立たせてください。 
    • 最後に、調査の結果にかかわらず、次は別の方法をとることができるか自問しましょう。世界中の教育関係者から話を聞くと、予防措置をとっていれば結果が変わったかもしれない、と報告されることがあります。よく耳にするシンプルな方法は、成果物の最終提出期限の前に、進捗状況を確認するというものです。途中でチェックポイントを設けることで、学生は時間を管理し、多くの場合、問題行為を引き起こす状況を回避できるようになります。

  4. アカデミック・インテグリティ違反に関する懲罰について、教員は学生にいつ話すべきか?
    指導と学習には非常に多くの要素が関連しており、外部では知り得ない、あまりにも多くの変数や情報があるため、教育の専門家に代わって私たちTurnitinが判断できる問題ではありません。
    しかしながら、参考になり得る考慮すべき点を挙げるとすれば、以下の3つが挙げられます。

    • 過去の行い:以前にも同様の行為が起こったか? どのような対応がこれまでとられてきたか?
    • 指導:盗用・剽窃や引用、言い換えなどについて明確な指導基盤 があるか?
         学生が別の行動をとるために必要な知識をスキルを増やすための、信頼できる基盤があるか?
    • 意図性:多くの教員にとって、意図の度合いによって、状況の見方や対応に大きな違いが生じる。 

      ※ アカデミック・インテグリティとは:すべての人々――学生、教育者、管理者、研究者――が、研究成果を生み出して公表する際に、倫理に即して研究を行い、正確な引用を心がけ、教育機関が定めたガイドラインを責任をもって遵守することで、アカデミアの高い期待を維持する、という基本的な考え。

盗用・剽窃を未然に防ぐために教員にできること

この話題についてはこれまでも議論を重ねており、アカデミック・インテグリティのさまざまな側面と同様、微妙な点が多く含まれています。当社では教員がこの問題に取り組むのに役立つリソースをまとめた「アカデミックインテグリティ特集ページ」「学習評価(アセスメント)特集ページ」もご用意していますのでご活用ください。教育機関や個々の教員が授業の中でアカデミック・インテグリティの文化を築き、学生自身に「できること」と「してはいけないこと」を深く理解させるための指導に役立ていただけたら幸いです。


まとめ

本シリーズを通して記憶に留めていただきたいもっとも重要な考えは、類似性レポートの結果は文脈なしに単独で使用することは意図されていない、ということです。結果として得られるスコアはあくまでも1つのデータポイントであり、教育者の専門知識と経験を通してのみ、真に理解できるニュアンスと変数に満ちた全体像の一部です。類似性レポートは、有用で堅牢な反面、限界があります。そして「類似性」は「盗用・剽窃」とは同じでないことを承知したうえで、学生の学びを支援するために、教員の代替物ではなく教員の判断を補強するためのツールとして、Turnitinの製品をご活用いただけることを願っておます。 


【Turnitin監修・無料eBook】教育機関の戦略プランにおけるアカデミック・インテグリティの重要性
【「類似性と剽窃」シリーズ前編 】ターンイットインと盗用・剽窃の検知との関連性