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新年度は学力向上のための基盤を作る新たな機会です。アカデミック・インテグリティを対面、またはオンラインで取り組まれていますか?アカデミック・インテグリティの定義を理解し、カリキュラムに取り入れることで、学生の学習成果を正当に評価し、教員の効果的な指導の促進につながります。

「新年度のはじめに」と題したブログシリーズとして、「アカデミック・インテグリティの基礎」、「アカデミック・インテグリティの文化の築き方」、「インテグリティのある学習評価の基礎」、「インテグリティのある学習評価で得られるもの」のテーマを全4話のブログ記事としてご紹介していきます。 Vol.2 の記事では、アカデミック・インテグリティの文化を築くうえで、すべての教育者や教育機関が考えるべき重要な5つの要素について考察していきます。


アカデミック・インテグリティを追求する教育者や教育機関は、それを実現する方法や、それが果たすべき役割について考えると圧倒されるかもしれません。 

つまり、アカデミック・インテグリティとは学校の倫理規定や方針のさらに上をいくものなのです。世界中で成功している教育機関は、倫理的な学びについての声明を発するだけでなく、誠実さや敬意、公正さ、信頼性に関して、厳然とした雰囲気を醸成しています。このことは、McCabe, Butterfield, and Treviñoの研究にも裏付けられます。学生が不正行為をするかどうかを決する主要因は、学生が通う教育機関のアカデミックな文化であることが示されています。

そもそも、アカデミック・インテグリティの文化とはどのようなものなのでしょうか?どのようにして始まるものなのでしょう?アカデミック・インテグリティの文化を築くうえで、すべての教育者や教育機関が考えるべき重要な5つの要素は次のとおりです。

  1.  アカデミック・インテグリティについて共通の定義を定める
  2.  陥りやすい落とし穴や課題を明らかにする
  3.  全学的な方針を設定する
  4.  学生の独自性を支えるテクノロジーやツールを活用する
  5.  早い段階で頻繁に、良い実践例を教え、共有し、模範を示す


1.  アカデミック・インテグリティについて共通の定義を定める

あなたの学校や教育機関では、アカデミック・インテグリティの定義が定められていますか?学生や教員、家族、管理者は、誠実さや公正さ、独自性に対する期待を理解していますか?

有意義な一歩を踏み出す前に、まずは全員に受け入れられる基本的な定義を定める必要があります。同僚や管理者、あるいは学生まで巻き込んで、自分たちの学校のアカデミック・インテグリティの定義を決めましょう。International Center for Academic Integrity (ICAI)のブックレット “The Fundamental Values of Academic Integrity”(「アカデミック・インテグリティの基本的な価値観」)は基本的な要点を詳しく説明しているので、すべての教育者・教育機関にとって良い出発点となります。成績評価、学問分野、キャンパスの立地、リモート授業・対面授業などあらゆる観点から検討し、学びの共同体のなかでアカデミック・インテグリティがどのように定義され、尊重され、追求されるのかをまとめましょう。


2.  陥りやすい落とし穴や課題を明らかにする

アカデミック・インテグリティはシンプルな考えに思えるかもしれませんが、実践するのは非常に難しいものです。アカデミック・インテグリティの一般的な定義を学内で共有する前に、個人の学習過程で起こりうるつまずきをすべて洗い出しましょう。そうすることで、学生のどのような行動やサインに注意をはらい、いかにしてリスクを最低限に抑えるか気づきを得られます。多くの学校がオンライン授業やリモート学習に移行するなかで、学生が学術不正に手を染める誘惑や機会は劇的に増えているので、これは重要なステップです。

手始めに、Turnitinのインフォグラフィック "The Plagiarism Spectrum 2.0 "(「盗用・剽窃スペクトラム 2.0」)をダウンロードしてみてください。これは、よくある盗用・剽窃のタイプを12種類に分類したもので、学生同士の共謀(個人評価のための課題を他の学生と一緒に取り組むこと)や、論文代行(レポートや小論文の課題作成を第三者に――無料、有料、あるいは何らかの形で対価を払って――依頼すること)などを含みます。さらに、注目すべきは、AIを使ったライティングや、ソースコードの盗用・剽窃など、近年注目を集める新たな傾向についても説明している点です。

この資料を参考に、アカデミック・インテグリティの定義を(必要があれば)修正し、見落としがちな点をすべてカバーしましょう。陥りがちな落とし穴(不注意にせよ、故意にせよ)をすべて点検することで、より包括的な定義をつくれるでしょう。


3.  全学的な方針を設定する

次のステップは、全学的な方針を公にし、計画的に、自信をもって共有することです。その方針には、アカデミック・インテグリティについての学校独自の定義や、質の高い独自の成果を生むための実践(正しい引用や倫理的な研究に関する資料を含む)にくわえて、不正行為が疑われる、あるいは確認された場合の、さまざまなレベルでの対応方法も盛り込みましょう。

あなたの学校は発展的なプロセスを用意していますか? アカデミック・インテグリティを主導する、教員と学生の委員会は学内にありますか? リモート学習の環境下で生じる、誠実性の新たな課題と期待に即して倫理規定をアップデートしていますか? もしまだ取り組んでいないものがあれば、全学的な方針を強力に維持するために検討してみましょう。McCabe, Butterfield, and Treviñoの研究によると、「倫理規定など教育機関のアカデミック・インテグリティのプログラムと方針が、学生の行動に重大な影響を与える」(2001, pg. 1) のです。

最後に、同僚と協力して、アカデミック・インテグリティを自分たちの学校の戦略的計画に組み込みましょう。この段階では、単純に学術不正に対する立場を公言するだけでなく、学校の基本的な倫理観をすべてのことに統合させる必要があります。学生が教員(ひいては、通学する教育機関)に敬意をもつと、不正行為が減る傾向があることを指摘する研究もあります(Orosz, Tóth-Király, Böthe, Kusztor, Kovács, & Jánvári 2015)。


4.  学生の独自性を支えるテクノロジーやツールを活用する

アカデミック・インテグリティのために、手軽に使用できるさまざまなツールがあります。そのようなツールは、誠実性に関する内省的・分析的な思考を学生に促すので、アカデミック・インテグリティの実現がより容易になるでしょう。これらのツールを利用して学生自身に学習の責任をもたせるようにすれば、教員は、教育者としての専門知識や関心を要する課題のために時間を確保できるでしょう。

Turnitinが提供するツールは世界中で効果的に活用されており、どの学習レベルでも質の高い独創的な成果を生み出しています。Turnitin Originalityは、アカデミック・インテグリティの新たなスタンダードとなるでしょう。単に盗用・剽窃をチェックするだけでなく、学生の提出物について多彩かつ詳細な情報を教員や管理者に提供することで、著作物のオーサーシップや今後の指導について、データにもとづく判断を支援します。

Turnitinの ”Disrupting Plagiarism: Building a Culture of Academic Honesty”(「盗用・剽窃を防ぐために:学術的な誠実さを文化にする」)のサイトには、Turnitinのベテラン教師チームが、アカデミック・インテグリティのための形成的な介入について作成した膨大な指導資料が掲載されています。学生および教員のための20の資料は、全部をパッケージとして活用することも、自分の教育機関のカリキュラムに則して効果のあるものを選んで活用することもできます。


5.  早い段階で頻繁に、良い実践例を教え、共有し、模範を示す

学校やコースのウェブサイトと連動して、すべての授業のシラバスにもアカデミック・インテグリティの方針を目立つように明記しましょう。シラバスは学期始めに必ず全員に周知される大切な文書です。学習への期待や学習方法、課題の期限が示され、アカデミック・インテグリティについて教員と学生が対話を始めるきっかけとなるものです。

教育者として、誠実性についての要点を明らかにし、学生とその家族と明確に話し合いましょう。シラバスを読めば各自で納得するだろう、と想定してはいけません。多くの場合、盗用・剽窃や不正行為について話し合うことは難しく、学内のコミュニティやそのサポート組織から敬遠されがちです。だからこそ、その土台作りは教員にかかっているのです。McCabe, Butterfield, and Treviñoの研究も、学生が学内の道徳文化をどのように受け止めるかを調査した結果、ポジティブな大学の気風を醸成することが重要であると指摘しています。

年間をとおして、折に触れてアカデミック・インテグリティの概念に立ち戻り、倫理にのっとった学習を促す環境を効果的につくりあげていきましょう。そのためには、レポート作成のプロセスで誠実性を奨励したり、誠実な研究を成功させる技法や引用の仕方のモデルを示したり、プロジェクトや試験の締め切りに向けて、対面なりオンラインなりで追加のサポートをしたりすることが考えられます。Tricia Bertram-Gallantは、指導と学びのプロセスにおいて、「教育者の課題は、誠実性を、より良い学びというゴールのなかに位置づけることだ。要するに、教師はいかに学生の不正行為を止めるか、という視点を脱し、生徒の学びをいかに保証するか、ということに焦点を当てるべきだ」と述べています(Bertram-Gallant, 2008)。

これらの重要なステップが真剣に注意深く実行されれば、キャンパスでもオンラインでも、アカデミック・インテグリティについて厳然たる雰囲気が生まれるでしょう。アカデミック・インテグリティの文化は、信頼と敬意、責任、義務に関してあらゆるレベルで高い基準を打ち立てるので、学生は将来的に仕事で重視される専門知識と誠実性を身につけられるでしょう。