マシュー ソルター 博士 | アカバナコンサルティング 創業者兼CEO
前編に引き続き、本エピソード後編では、アカバナコンサルティングのCEO兼創立者で学術界での幅広い経験をお持ちのマシュー・ソルター博士に、変化する状況の中で研究活動と研究公正(リサーチ・インテグリティ)をどのように研究者が実践していくべきかをテーマに、引き続きお話を伺いました。
文章ベースの研究不正の問題を取り上げた後、ソルター博士は、研究者が都合の悪い結果を修正、追加、省略し研究データに誤った印象を与えることで深刻さを増している画像操作について述べられます。学術出版社による画像不正を検出するための画像審査の厳しさを指摘され、研究論文の執筆過程で研究者の意識と透明性を高める必要があることを強調、そのための戦術を提案されます。
ソルター博士は、研究活動を支援するテクノロジーの重要性について、剽窃チェックツール等のツール利用を罪悪感の表れとして捉えるのではなく、研究公正への前向きで積極的な取り組みとして捉えることを提唱されます。ソルター博士は、剽窃チェックツール等のソフトウェアやツールを「責任ある研究者としての信用を高める前向きな一歩」だとし、独自性の判断、情報のキュレーション、文章力の改善といった機能を評価されます。このような技術は、その場限りのものではなく、本質的に制度的枠組みに織り込まれたときに最も効果を発揮すると主張されます。
最後に、ソルター博士は、研究公正の違反に対する曖昧さを解消するため、研究公正の関連部門への問い合わせや機関内のリソースを活用するなど、研究者が早期に支援や指導を求めることを提唱されます。原則と研究公正の担保を支援するツールは、どのように研究のエコシステムを支えることができるのでしょうか。ソルター博士の洞察をご覧ください。
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