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立命館大学 生命科学部の「プロジェクト発信型英語プログラム」に携わる山下美朋(やましたみほ)准教授に、英語教育におけるアカデミック・リテラシーやアカデミック・インテグリティを中心にご寄稿いただく「これからのライティング教育」シリーズのVol.4 となります。

近年、高校から大学さらに社会に出た後のキャリア形成までを目的としたライティング教育に注目が集まっています。私は大学での教育に携わっていますが、パラグラフ概念の知識がないまま大学に入る学生が多いのではと感じています。シリーズ最後の今回は、高大連携のライティング指導に焦点を当て、今後のライティング教育について話をしようと思います。 

ライティングの指導の現状

2017年度に立命館大学3キャンパスを対象に498名の学生に行ったアンケート調査(山岡, 2019)によると、3割が高校ではワンパラグラフ程度の英文を書いた経験がないと答え、年に1-2回程度と答えた学生を合わせると約半分もいました。また月に1回以上書いた経験があると答えた学生でも、トピックを与えられただけで指導はなかった、また書いてもフィードバックがなかったか、またはあっても語彙・文法間違いの指摘のみだけだったとの回答が半数以上でした。

Hirose and Harwood (2020)は、高校で英語ライティングの指導が少ない理由を下記のように挙げています。    

  1. 大学入試でライティング・スピーキングのproductive skillsが求められていないこと
  2. 学習指導要領に指導すべき内容は記載されているが、指導方法についての詳細が少ないこと
  3. 現場の限界、つまりクラスサイズや指導に時間がかかること

大学に入ってからパラグラフの指導から始め、トレーニングを積むには時間が限られており、上回生になって研究活動をはじめるまでに研究の要旨を書いたり、論文を読んで自分でも書くための基本的な書く力を身につけることは困難と言わざるを得ません。

高大連携のライティング指導実践研究の開始

このような状況を打開するために、私は昨年から高校の先生方と一緒にライティング授業を考え教材を作成し、実際に高校の現場で指導してもらう高大連携のライティング指導実践研究を始めました。現在全国の高校約15校で継続的に指導してもらっていますが、パラグラフ・ライティングをまず徹底すること、様々なジャンルのライティング活動を少しでも授業に取り入れてもらえるような教材を蓄積することが目的です。この実践をしているうちに高校の現場がよく分かるようになり、高校の先生方も、書く活動を通して「認知的負荷をかけたタスクで、思考を深めることの大切さ」に気づいてくれるようになりました。また、様々な情報を精査して、自分なりの考えを書く際に、他のリソースから得た情報を適切に引用する、などといったアカデミック・インテグリティの指導も欠かせないことも少しずつですが認識されるようになりました。

ライティングスキルの重要性

更には、大学入試が終わりではないこと、大学入学後の学習や研究、そして更には卒業後のキャリアにおいてもライティングが非常に重要であることを理解してもらい、将来を見据えたものとして段階的にライティング指導がなされることも重要です。ウィズコロナそしてポストコロナの時代にあってビジネスメールの頻度は増大し、ライティングスキルは増々重要視されています。高校から大学卒業後も必要なスキルのひとつとしてライティング力の醸成のために指導を続けていきたいと思っています。

長い間、本ブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。

山下美朋 准教授
立命館大学
生命科学部 生命医科学科

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【引用文献・資料】    

Hirose, K., & Harwood, C. (2020). Factors influencing English as a foreign language (EFL) writing instruction in Japan from a teacher education perspective. In L. Seloni & S. H. Lee (Eds.), Second language writing instruction in global contexts (pp. 71–90). Multilingual Matters.

山岡憲史. (2019). 『「論理的思考力・探究心」を育てるアカデミック・ライティング―言語の枠を超えた「書く」指導のあり方』2019年度立命館大学第一回教学実践フォーラム.