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初出:eLearning Industry

困難や挫折には「変化」がつきものです。そして「変化」のためには「再評価」と「イノベーション(革新)」が必要です。

世界がコロナ禍という突然の混乱に直面するなか、教育現場においてはこれまでの教育実践を再評価する動きが出てきました。教員は従来の指導案(何十年間も使ってきたものまで)を投げ捨て、新たな指導案と新たなツール(Zoomなど)の使用を余儀なくされました。

その変化の基礎を支えたのが、教育現場の「ベストプラクティス」(モデルとなる実践事例)です。ベストプラクティスはイノベーションの指針としてこれまで以上に重視されるようになりました。また、リモート学習という未知の環境下で指導と学びを実践する教員と学生にとっても、なくてはならないモデルにもなりました。

たとえば、直接会って話のできない状況では、「フィードバック・ループ(双方向の継続的なフィードバック)」が主要なコミュニケーション手段となっています。また、学生の提出課題を教員がリアルタイムで評価できない中で学習評価も変わってきました。

学習評価とは、教員が学生の学習状況を把握し、学生は次のステップへ向けてフィードバックを受けとる、学びのチャンスです。その学習評価も、リモート学習において大きな課題となりました。しかし同時に、将来の学習評価のあり方を変える転換点にもなっています。

そこで、リモート学習での課題や、学習評価の基本原則、適切な学習評価のための理想の実践について見ていきましょう。


1.タイムリーかつ具体的で、実行可能なフィードバックを提供する

ジョン・ハッティの『Visible Learning』によると、タイムリーかつ具体的で、実行可能な形成的フィードバックは、学習成果の向上につながります。質の高いフィードバックが学生の学びを加速させ、学習効果を高めるのです。そして、学生が悪戦苦闘する姿や興味を失っている様子をリアルタイムで観察できないオンラインの学習環境では、フィードバックの重要性がさらに高まります。オンライン学習では「従来の教室では利用できる情報経路の一部が取り除かれるため、教員は学習評価といった経路に頼らざるを得ない」という研究もあります(Timms, 2017, p. 327)。

個々の学生に合わせて、タイムリーかつ具体的で、実行可能なフィードバックを提供することの必要性は明らかです。加工食品のような出来合いのフィードバックでなく、個々の健康状態に合わせて自然食品を用いた食事を用意するように、栄養たっぷりのフィードバックを提供が大切です。しかし、学生数の多い入門コースで、大量のレポートや何百枚ものテストの採点に追われていると、対面式であれオンラインであれ、形成的なフィードバックの実施は不可能に思えるかもしれません。

そこで、評価・採点ソフトウェアの出番です。ここ1年のあいだ、学習支援ツールのおかげで多くの教員は課題の採点とフィードバックをより迅速に行えるようになりました。さらに、オンラインでの学習評価に移行することで、レポートを紙にプリントアウトして提出する必要がなくなり、また、次の授業を待たずにフィードバックを実施することもできます。


2.さまざまな問題形式を取り入れる

クラスの規模や教員の仕事量が、テストでどの問題形式を選択するかに大きく関わります(言うまでもありませんが、オンラインテストをいかに戦略的に実施するかもテスト作成に大きな影響を与えます)。その結果、多くの教員が多項選択式の試験を選んでいます。メルリン・ワイマーはウェブサイト「Faculty Focus」で多項選択式テストの利点と欠点を精査し、「クラス規模や教員の負担、その他の山積する学術的な責任を考えると、多くの教員が多項選択式テストを唯一の現実的な選択肢と感じる」と述べています。

多項選択式は、多くの概念を短時間で評価できる、時間効率のよい方法で、偏見が入らない、採点が速い、評価の幅が広いなどの利点があります。しかし、その他の問題形式も取り入れると、学生の学習について多様な要素を把握できます。短答式や長文記述式、レポートなど、さまざまな問題形式を取り入れることで多様な学習スタイルに対応し、学習状況をより正確に測ることができます。

補足として短答式の補充問題を取り入れることも有効です。選択肢の幅を増やし、効率的に採点できるテストツールを使用するのも良いと思います。オンラインの評価ツールや、Zoomの機能を創造的に活用し、多様な学習スタイルに合わせて多角的に学習評価を行う教員も増えています。


3.ローステイクス・テストを頻繁に実施する

テスト結果の重要度があまり高くないローステイクス・テストを頻繁に実施することで、教員の学習への介入を増やし、学生の学びを支えます。スコット・ワーノック(2013)によると、ローステイクス・テストを頻繁に実施すると、教員と学生のあいだに対話が生まれ、テストでの成功体験を繰り返すことで自信がつき、学生のモチベーションが高まるようです。総括的評価を行う前に学習状況を把握することで、教員も学生も学びの進捗状況を正確に測定し、学習成果を高めることができます。

ローステイクス・テストには、授業内のディスカッションや小テスト、振り返りシートなどが含まれます。単元ごとのテストや期末試験のみで成績をつけたいと思うかもしれませんが、学生の学習過程全体をサポートし、その過程で信頼関係を築くことが重要です。

リモート学習では多くの教員が、総括的評価のためにハイステイクス・テストを実施することを控えています。これは、オンラインテストの実施方法に課題があることはもちろん、学生にさらなるストレスを与えることが生産的ではないと考えるからです。『ガバメント・テクノロジー』誌は、アメリカの大学が入学要件としてSATやACT(大学進学のための共通テスト)の使用を取りやめたことを報じ、「すべての教育者が評価方法を全面的に見直すべきかどうかが問われている。従来の、採点が簡単な多項選択式テストから、学習内容の習熟度の微妙な差異を明らかにする方法への移行は簡単ではない……(中略)……それ(パンデミック)は、教員が古いやり方を見直すためのかつてないチャンスであり、学習評価に大きな変革をもたらすかもしれない。それは非常に良い変化となり得る」と記しています。


4.インテグリティ(誠実性)を守る

学生の不正行為は学習評価をゆがめますが、教員によるテスト設計や採点時の偏見も学習評価に大きな影響を及ぼします。学生が到達目標に達しているかを測るテストや、適切な難易度のテストを作ることが、正確で適切かつ公平な学習評価の実施につながります。

また、偏見をなくすことも重要です。答案の名前をふせて採点したり、一貫性のあるルーブリックを用いたりすることで、評価の公平性と一貫性を保障できます。

リモート学習により、安易な近道を選ぶ学生も増えています。テストバンクなどのオンライン・リソースや電子機器へのアクセスが容易になり、ストレスを抱えた学生が不正行為の誘惑に負けてしまう事態が頻発しています。『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌は、「リモート学習を始めたことで、小学校から大学まで、学生の間で不正行為が横行するようになった。この1年で多くの学生が自宅で孤立し、大量のオンラインサービスを自在に使えるようになったため、学術不正がかつてないほど容易になった。……(中略)……新たな世代の不正行為者たちはパンデミック後もその行いを正さないかもしれないと危惧する教育者もいる」としています。不正行為を抑止するためには評価方法を改善するほか、テスト監視機能や盗用・剽窃検知機能のあるソフトウェアを利用することも検討してみましょう。


5.項目分析で学習状況を把握する

最後に、教員から学生へのフィードバックが重要であるのと同様に、「教員が指導の効果についてフィードバックを受けると、学生が最大の利益を受ける」とジョン・ハッティは述べています(Visible Learningインタビュー)。つまり、教員が学生の視点を得ると、学習が可視化され、次にやるべきことが分かるようになるのです。学習評価は学生の学びを評価する一方で、学生の学習のギャップを明らかにし、教員が次にとるべき行動を教えてくれます。学生は何を分かっていて、何が分からないのか? それに対して教員は何をすべきか? クラス全員が間違えた設問はあるか? その理由は? テスト結果の項目分析を実施し、テストでの学生の解答パターンを詳細に解明することで、次の指導や評価に生かすことが重要です。


ピンチはチャンスです。新型コロナウイルスの蔓延により、世界中の教育者が従来の評価実践を見直して再構築することを余儀なくされました。教育が前へと進み続けるなかで、学習評価を、教員と生徒の豊かな知識交流の場へと変えていきましょう。