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ルーブリックとは

ルーブリックとは学習を評価するための指針のことです。ルーブリックを効果的に用いると、学生は何がどのように評価されるのかを明確に知ることができ、学びに役立ちます。それは、ただのチェックリストではなく、どのようなスキルを習得するかに焦点を当てて到達目標を記したものです。評価の前に学生にルーブリック(評価するための指針)を提示することで最大の効果が期待できるでしょう。

スーザン・M・ブルックハートによると、効果的なルーブリックには2つの必須要素があります。

  1. (課題内容ではなく)学生の「学び」に関する評価基準
  2. パフォーマンスの質を段階的に明示する記述

評価基準は課題内容ではなく、学びそのものに焦点を当てる必要があります。

ブルックハートの2018年の研究では次のように述べられています。「適切な評価基準が効果的なルーブリックの鍵である。些細な基準や表面的な基準では、本質的な評価基準ほど学習目標を明確に示さないだろう。学生は、教員に期待されたものを生みだそうとする。もし評価基準が、提出物に含まれるべき要素の有無や、その数を数えるだけのようなもの(例:「5段落以上」)なら、学生はレポートの質に注意をはらう必要がなくなる。評価基準が本質的なものであれば(例:「説得力のある主張」)、質にも注意することが課題の一部となる」


つまり、ルーブリックは何が重要で、どのようなレポートが優れているのかを明確にするので、学生は授業の期待値に沿って学びを達成することができます。ルーブリックとは、パフォーマンスを評価するためのものではなく、その定義を示すものなのです。学習評価と同様に、ルーブリックも学びにつながるようデザインするのが最も効果的でしょう。


ルーブリックについてよくある誤解

ブルックハートは、「課題内容が基準に含まれるルーブリック(パフォーマンスの記述が、課題の指示を示すチェックリストになってしまっているもの)は、指示を遵守しているかを評価するだけで、学びの度合いを評価するものではない。質に関する記述がなく、目標値のみを示したルーブリックは、目標値が達成されているかを評価するだけで、質の評価はできない」と述べています(2013)。

学習成果と学習課題を混同すると、ルーブリックは「はい」か「いいえ」の二分法のチェックリストとして使用されるおそれがあります。他方、詳細な記述で高次の思考力を反映するルーブリックを用いると、学生はやるべきことが分かり、教員は誠実な学習評価を実践できるので、学習成果の向上が見込めます。

また、学習目標に沿わないルーブリックは学びを制限する可能性もあります。重要な学習目標に焦点を当て、授業の期待値に沿ったルーブリックを作成しましょう。たとえば、レポートの文書形式を整えることが授業の目標ではないのにルーブリックに記載されているのであれば、そのルーブリックの効果は損なわれるかもしれません。学生が「すべきこと」と「学ぶべきこと」を混同してしまう可能性があるからです。そうなると、学生はレポートが完成すれば学習はそこで終わってしまい、次につながる連続性のあるものと捉えないかもしれません。

ほかにも、ルーブリックを成績評価のための尺度と混同する誤解があります。評価尺度は採点に便利で、なかには詳細な記述のないもの(例:1~5の数字やA~Fの文字だけの評価基準、「いつも」「ときどき」など頻度や程度だけを示した基準)もあります。評価尺度は成績付けには役立ちますが、質についての具体的な記述がないと学生が自ら学習をすすめるために活用できません。


ルーブリックは学生の学びにどのような影響を与えるか

学生と教員間のコミュニケーションの中心要素となる形成的なフィードバックは、期待値を設定するところから始まります。ルーブリックは「学習目標を学習者に明確に示す方法のひとつ」です(Brookhart, 2018)。明確に示された学習目標のおかげで学生は学習の全体像を把握し、その後に得られるフィードバックを、それらの目標に照らしあわせて理解することができます。

ジェイ・マクタイは効果的なルーブリックを次のように説明します(McTighe, 2016)。

  • 目標とする基準や成果に基づいて、学生のパフォーマンスの評価基準を明確に定義する
  • より一貫性のあるパフォーマンス評価を促進する
  • 指導目標を明確にするのに役立ち、ルーブリック自体が指導目標として使用される
  • 学習者と教員へ具体的なフィードバックを提供する
  • 学生が成果物やパフォーマンスの重要な部分に集中する助けとなる
  • 評価基準に基づいた学習評価と、基準値に基づいた採点を可能にする
  • 学生の自己評価や相互評価をサポートする


ルーブリックは明確に定義された目標を達成する助けとなります。また、ルーブリックはカリキュラム計画の指針となり、誠実で正確な学習評価を支えます。効果的なルーブリックにより、学生自身の自己評価と自主的な学習が可能となるのです。

さらに、ルーブリックは歴史的に疎外されてきた学生の学習を促進する可能性もあります。ウルフとスティーブンスは、「ルーブリックの利点は、学習目標や学習課題への期待値をより明確にできることだ(Andrade & Ying, 2005)。アカデミックな環境では、学生のパフォーマンスや行動に対する期待について、暗黙の文化的な前提に基づいて教育が行われており、すべての学生が共通の理解をもっていると見なすことが多い」と述べています(2007, p. 13)。つまり、ルーブリックは移民一世や英語学習者にとっては曖昧すぎて分からなかったことを明確にするのです。

ルーブリックの本質は、学習評価にとどまりません。指導と学びが交わる場となり、学生の学習効果を向上させ、誠実な評価を支える可能性があるものなのです。