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​京都外国語短期大学にてキャリア英語科をご担当される辰巳遼講師に、「デジタル時代のアカデミック・スキルズ」をテーマにご寄稿いただくシリーズのVol.1 となります。初回となる今回は、国際的な取り組みのSDGsとアカデミック・スキルズの関連性について取り上げていただきました。​​

こんにちは。今回ブログを執筆させていただきます京都外国語短期大学の辰巳です。よろしくお願いいたします。今回のブログのシリーズでは、今後の英語教育の役割を考えるために、デジタル時代のアカデミック・スキルズの重要性について考えていく予定です。最初は少し大きな視野で、国際的な目標であるSDGsと関連させて、アカデミック・スキルズについて考えていきたいと思います。

SDGsと教育

持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: 以降SDGs)と英語教育はあまり関係性がないと思われるかもしれません。しかし、言語教育はあらゆる問題の解決に向けたコミュニケーションを可能にするもので、SDGsの多くの目的に関わる「モラル」というものを考えていく上で実は非常に重要なものなのです。モラル無くしてコミュニケーションは成立しないですし、何より、他の言語を学ぶということは、他者の価値観を受け入れることでもあるのです。それはアカデミック・リテラシーやアカデミック・インテグリティにも通じるところがあります。SDGsは経済・社会・環境の問題を同時に捉える斬新なアイデアです。しかしこれらの複雑な絡み合いを考慮すると、実践は容易なものではないでしょう。

さらに持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development: 以降ESD)をご存知でしょうか。ESDは、ユネスコが1992年から推進している、持続可能な社会を創るためのスキル、価値観、態度などを教育の中で身につけていく指標です。文部科学省のホームページによると、「2017年3月に公示された幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領及び2018年3月に公示された高等学校学習指導要領においては、全体の内容に係る前文及び総則において、『持続可能な社会の創り手』の育成が掲げられて」いるそうです。この創り手を意識した教育は日本中の大学にも広がっています。英語教育もまた、このニーズに合わせて進化していくことを期待されています。

アカデミック・スキルズの重要性

今はあらゆる「メディア」を通して世界に自分の意見を発信・共有できる時代になりました。SDGsのような国際的枠組みが目指すのは、「モラルの共有」です。もちろん環境問題や経済問題はSDGsにおいて目立つものではありますが、言語もまた「公正な社会、平和な世界」にとって必要な資源であると言えます。

現在私は、京都外国語短期大学のキャリア英語科に所属しており、英語教育にも携わっております。京都外国語大学では、「言語を通して世界の平和を」という理念のもと言語教育が行われています。この理念は、言語をただコミュニケーションツールとして捉えるのではなく、平和な社会を保つための手段として言語を操る教育を目指すものです。SDGsやESDでも併記されている「地球市民教育」もその射程にあり、学生は視野を広く持つことが求められています。そこで重要となってくるのが、アカデミックなスキルです。

アカデミック・スキルズは大学教育の基礎と言っても過言ではありません。『アカデミック・スキルズー大学生のための知的技法入門』(佐藤他、2006)によると、アカデミック・スキルズとは知的作業を行うための技法だと述べられています(8)。そこでは知のスパイラルとして、以下の流れを想定しています。

「問いの発見」⇨「調査」⇨「情報整理」⇨「発表」⇨「議論」⇨「問いの発見」

つまり、アカデミック・スキルズは問いを発見し、その「なぜ?」を追求し、分かったことを人に伝え、話し合うという一連の作業の技法であると言えます。しかもその射程はThink Globally, Act Locallyと言われるようにグローバルに拡大しているのです。SDGsのように世界を問題の射程に入れた時には、特に英語教育においては、従来通りの方法からさらに進んで、インターネットや様々なアプリ、ツール等を使用し、デジタル時代に対応した教育を行うことで、どんどん問いを発信し、議論する場を作っていかなくてはなりません。なぜなら「モラル」は場所や時代によっても大きく異なるため、他者の視点を取り入れることが不可欠だからです。議論なしの1人完結型の学びはむしろリスクとなるかもしれません。SDGsについて学ぶのではなく、SDGsのような問題を考える土台を作るのに、英語教育は大きな可能性を持っていると思いますし、もしかするとその経験がグローバルな視点を持つ第一歩にできるかもしれないのです。

少し大きな枠からお話しを始めてしまいましたが、現在の教育が要求されている広い視点から、アカデミック・スキルズの重要性を再度見直すことで、英語教育をより良いものにするヒントがあるのではないかと思います。

参考文献
佐藤望、湯川武、横山千晶、近藤明彦『アカデミック・スキルズー大学生のための知的技法入門』東京:慶應大学出版会、2006。
文部科学省ホームページ「持続可能な開発のための教育(ESD: Education for Sustainable Development)」2022/5/31 (https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339970.htm)。

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​連載次回はデジタル時代で求められる情報発信と情報共有の能力と語学教育、及びアカデミック・スキルズの関連性について取り上げていただきます。

辰巳遼 講師
京都外国語短期大学
キャリア英語科