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大学教育は、初年度が肝心です。

入学して最初の1年は、その後の高等教育へ向けたマインドセットと学習の基礎をつくる大事な時期です。
学習スタイルや学習課題において、学生が困難に直面した時に、教育機関はどのようなことができるのでしょうか?
新入生の受け入れを例に教員ができる取り組みについて考察します。

1.大学に対するイメージを(再)構築する

新入生が初めての大学生活に寄せる期待を見てみましょう。

新入生の大学生活は、通学1日目ではなく、それより前から始まっています。ラ・トローブ大学のケリー・クラウスの研究によると、期待が形成されるには何年もかかり、新入生が入学してくるときにはすでに、外部(大学側のコントロールの及ばない場所)で聞いた話をもとに期待を形成しています。

新入生のもつ大学への期待は現実的ではない場合が多く、学習内容も学習量も高校までの教育と大差ないだろうと理解しています。

2.講義中心の教育のなかで学びをサポートする

新入生の大部分は大教室で(さらには大人数で)講義形式の授業を受けるので、学習をサポートすることが大切です。大学は、「学び」とは独自の思考力を養うことと定義していますが、講義形式の授業ではたいていの場合が知識詰め込み型の教育となりがちです。

新入生にとって大学に入るまでの学習は暗記を中心だったかもしれません。しかし、大学では独自の思考が何よりも優先され、暗記を中心とした学習方法が大学の望む方法ではないことを指導する必要があります。では、講義形式の授業で、どのようにアクティブ・ラーニングを進めればいいのでしょうか?

アクティブ・ラーニングを進めるひとつの方法として、学生に前もって質問を考えてくるよう指示を出すことができます。講義の事前課題として質問を考えさせることで、学生は前もって調べ、自分で考え、さらに調べものを進める必要があります。また、教員が学生の質問に沿って講義を進めることもアクティブ・ラーニングにつながります。

3.オフィス・アワーを活用する

オフィス・アワーは、学生との関わりを深め、知的な信頼関係や対話を生みだし、安心できる教育の土台となり得るにもかかわらず、軽視されがちです。講義の前後で学生と会話をすることもできますが、日頃からオフィス・アワーに学生をオフィスに招くことで、テストのための一時的なアドバイスにとどまらない自由な対話が期待できます。

学生が教員にアプローチしやすい環境を整えましょう。学生の疑問点について話し合い、講義内容をより深く理解するための時間として、オフィス・アワーを活用できます。オフィス・アワーを、テストの時だけでなく、教員と学生がともに参加する「学びの場」にするのです。

4.早い段階で頻繁にフィードバックを行う

期待する学生像が浸透していないときや、さまざまな学習背景をもつ学生が集まっている場合、早い段階で頻繁にフィードバックを実施することが何よりも大切です。フィードバックは、新入生が大学生活に適応する最初の1年において、学びの基礎をつくるものです。レポート作成において、主題決めから下書き、完成までのプロセスのなかでフィードバックを与えれば、批判的思考(クリティカル・シンキング)や独自の思考へと学生を導くことができます。

最終的な成績付けまでフィードバックがなく、学生がひとりで取り組むことになると、学習に遅れが生じ、その結果、やる気がくじかれる恐れがあります。

5.評価基準を明確にする

新たな土地、新たな学校、新たな人間関係、新たな教育環境は学生にとって分からないことだらけです。しかし、大学での評価方法を明確にすることで、新たな生活での不明瞭な点を減らすことができるでしょう。

学生がどのように評価されるのかをシラバスに明記しましょう。どのような手段で学習評価がされるのか、そして最も重要なことは、なぜそのような評価が必要なのかということです。大学での新生活でさまざまな課題に直面するなか、教員が授業の最終目標と、そこにたどり着くための方法を提示することで学生の学びをサポートできます。

6.批判的思考の模範を示す

批判的思考(クリティカル・シンキング)は高等教育で最も重視されるもののひとつです。そして多くの学生は、入学前にその力を身につけていません。早い段階での頻繁なフィードバックに加え、教員は授業で批判的思考がどういうものなのか、モデルを見せる必要があります。

教員の思考プロセスを見せることで、考え方を教えましょう。マインドマップやアウトラインを描いて、あるアイデアの根拠を考えて証明するプロセス(それが自分独自のものであっても)を学生と共有するのです。問題を隅々まで検討し、それを解決する過程をリアルタイムで学生に見せることをお勧めします。批判的思考の過程は、たいていの場合ブラックボックス化しているので、それがどのようなものかを学生に理解させるには、教員自身が独自の思考過程を学生に見せるのが一番です。

7.多様な学生に対応する

学生はそれぞれの学習スタイルを身に付けたまま入学してきます。聴覚優位型や視覚優位型、運動感覚優位型などさまざまなタイプがありますが、自分に適した方法を選べばより容易に情報を吸収できます。初年度に学習の基礎を提供し、学習に遅れが出ないようサポートすることが重要です。

アイデアや概念を説明するとき、口頭でのみ伝えるのではなく、視覚物を活用したり、黒板に図解したりしましょう。少人数グループでの活動を取り入れ、話すのが苦手な学生や授業への帰属意識が薄い学生も意見を言える環境をつくりましょう。少人数での活動は、大人数の前で発表するための「練習」にもなります。

そうすることで、集団やコミュニティを築くことができます。さらに、新入生が多くの困難に直面して孤独を感じているかもしれない大切な時期に、教員がさまざまな学習スタイルを重んじていることも示せます。これはオンラインにおける授業でも求められることです。

8.学びの主導権を学生にもたせる

大学1年生は、新たな環境に適応しようとするなかで、自分の思い通りにならないことばかりだと感じるかもしれません。とは言え、新入生が大学や授業に貢献できることはたくさんあります。学生を中心とする教育法を授業に取り入れ、さまざまな種類の課題を課すようにしましょう。学生の意見は非常に貴重なもので、学びの主導権は学生自身にあるのです。

たとえば、学生に教員あてにフィードバックを書いてもらうなど、学生との対話の機会をつくることは大切です。授業のなかでかれらが感じている不安や期待を書くよう求めましょう。そのような実践は、授業の初日とはいかなくても、授業の早い段階で取り入れると効果的です。

さらに、コースの終わりに次の受講生に向けてアドバイスや励まし、その他の個人的な意見を含んだメッセージを書いてもらうのも良いでしょう。そうすることで、教員が学生のニーズを知れるだけでなく、学生自身がそのコースを修了した「先輩」としての自信をもつことができます。メッセージを匿名にして、翌年の新入生に読ませれば、先輩の声に喜び(と共感)を感じるでしょう。

9.学びのコミュニティのためのリソースを提供する

学習者同士のコミュニティをつくることで、新入生を組織的に指導できます。新入生をサポートする責任は、教員だけでなく大学全体にあります。多くの大学で、新入生向けのセミナーが開かれていますが、セミナーと授業を一体化することも検討してみましょう。シラキュース大学のヴィンセント・ティントは、セミナーを他の授業とリンクさせることで「初年度の骨組みとなる」と言っています。

特にオンラインでの学習環境下では、コミュニティをつくることで、学生は孤独を感じないだけでなく、仲間からのサポートを受けることができます。学びのコミュニティは、カウンセラーなど他のリソースと協力し、教員同士のコミュニティをつくれるので、教員のためにもなります。